院長の安藤ですが、皆さんに報告があります。
この度、僕念願の経口内視鏡を導入いたしました。
そこで従来当院で使用してきた経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)と経口内視鏡(口からの胃カメラ)についてメリットとデメリットを紹介します。
今まで当院で積極的に使用してきたのは鼻からの胃カメラです。メリットは何よりも患者さんの負担が軽いことです。直径5.4mmのカメラを鼻から入れることで検査中の嘔吐反射がとても少なくてすみます。昔の経鼻内視鏡は経口内視鏡と比べると性能的に大きく劣るものでしたが、近年の技術革新は目覚ましく、最新の経鼻内視鏡では経口のものと遜色ない高精度な画像での観察が可能となっております。
一方デメリットがあるとすれば、カメラが細いため“コシ”が弱く、組織検査をしたい病変の場所によっては操作に苦労することがありました。その点、経口内視鏡の操作性は経鼻のものよりもよく、検査自体が短時間で終えることが多いです。
もう一つのメリットは「拡大機能」という専門的な機能です。もともと内視鏡の画質はスコープの太さにある程度依存するため、径の太い経口内視鏡の画質はかなり高画質なものとなります。また検査中に腫瘍などを疑う場合、拡大機能を用いて細かく病変の粘膜や血管などを観察することができます。特に最近は、ピロリ菌を除菌された方が増えていますが、除菌をすると胃の腫瘍は境界が不明瞭となり非常に分かりづらくなります。そのよう場合に拡大機能を使用することで、病変を詳細に観察することである程度腫瘍と非腫瘍の見分けがつくことがあります。
ただ経口での胃カメラの一番のデメリットは、口から入れることによる嘔吐反射ですが、当院では鎮静剤を使用することで極力患者さんの負担を軽減するよう心がけています。
経鼻内視鏡と経口内視鏡、それぞれに一長一短ありますが、どちらを選択すればいいかは状況に応じて選択して頂くのがよいと考えます。たとえば、仕事の前後で検査を受けられる方は鎮静剤を使用しない経鼻内視鏡を、検査当日とくに用事もなく車・自転車を使用することがないなら鎮静剤を使用した経口内視鏡、といった選択方法もありますので、スタッフにお声がけください。